損害賠償と所得税の歴史

現行所得税法上に損害賠償の規定がなされるのは、昭和22年11月の第2次改正です。

一時所得が新たに所得類型に加えられたとき、当時の所得税法第6条に「損害賠償により取得したもの、慰謝料その他これに類するもの」を非課税として規定されています。

この規定は昭和25年のシャウプ税制にも引き継がれます。

これが昭和37年の改正により、ほぼ現行規定と同様になります。

昭和36年の税制調査会答申では、以下のように答申がなされています。

「当調査会は、(中略)(損害賠償等の補償金を受け取る等に関し)、総合的な検討を行なった。この種の問題に対する取り扱いは、その性質上、あまり理論的にのみ走ることは、適当ではなく、常識的に支持されるものでなければならない。(後略)」として、います。

つまり、損害賠償金に対する課税は理論的にだけ考えるのではなく、きわめて国民感情等に配慮した常識的な取扱いをすることが望ましいとした判断を行っています。

これ以降、損害賠償に関し課税性について議論された形跡はなく、現状の取り扱いとされています。

現行の損害賠償は実費補てん・実害補てんという性格を色濃く持っています。

この損害賠償が実費補てんではなく、その額を超えて懲罰的損害賠償のような性格は持っていません。

今後は、懲罰的損害賠償等が俎上に上ってきた際に、議論が再燃するのかもしれません。

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